ブレイクダンスがオリンピック競技に!選ばれた理由は?

2024年オリンピックパリ大会から正式競技に採用された、ブレイクダンス(ブレイキン)。日本代表候補の筆頭で世界にその名を轟かせるBBOY、 Isseiの活躍が期待されます(現時点で出場については未定)。


○オリンピック競技としてのブレイクダンス(ブレイキン)


○ブレイクダンスがオリンピック種目に採用された理由


○予想される採点基準


ブレイクダンスについて簡単に紹介した後、オリンピック競技としてのブレイクダンスに、以上のようなアングルから迫ります。


ブレイクダンスとは?


皆さんならよくご存知かとは思いますが、念のためブレイクダンスについて、簡単にサラッと説明します。


ブレイクダンスは、ニューヨーク発祥のストリートダンス。元々は、曲間(ブレイク)に踊られたダンスなので「ブレイクダンス」とされますが、「突破(break)する人」というニュアンスでも使われる用語です。


ブレイクダンスは、以下の要素で構成されます。


パワームーブ

全身(特に上半身)でアクロバティックな動きをする技の総称



エントリー

立った状態で踏むステップの総称



フットワーク

床に手をつけ屈んだ状態で素早く足を動かしたり、相手を挑発したりするムーブ



フリーズ

フットワークやパワームーブから音に合わせて動きを止め、ポーズをキメる技



オリンピック競技としてのブレイクダンス


ブレイクダンスは2024年パリ大会で、「ブレイキン」として正式競技に採用されます。ブレイクダンスではなく、ブレイキン。果たして、ブレイクダンスとブレイキンは、何が違うのでしょう。


ブレイクダンスとブレイキンの違いとは?


ブレイクダンスとブレイキンの違い。それは、「呼び名」です。両者ともに、ダンスのジャンルや手法については、同じものを指します。世界共通の呼び名がブレイキン、日本のメディア特有の呼び名がブレイクダンスです。


日本でブレイクダンスが好きな方の中には、「ブレイクダンス」という呼び名よりも、「ブレイキン」という呼び名を好む方が、少なくないかもしれません。オリンピックを契機に、全世界共通の呼び名であるブレイキンが、日本にも広まる可能性はあるでしょう。


ただし、まだまだ日本ではブレイキンの呼び名が、定着していないのも事実です。今回の決定で興味を持った初心者の方が読むことも考慮して、この記事では以後もブレイクダンスで表記を統一します。


ブレイクダンスがオリンピック種目に採用された理由


○ブレイクダンスの精神

○若い世代へのアピール

○フランスでのブレイクダンス熱


なぜ、ブレイクダンスがオリンピック種目に採用されたのか。上記3点が、その理由です。


ブレイクダンスの精神とは?


ブレイクダンスには、「世界の壁をダンスと音楽が超越する」という精神があります。ブレイクダンスの世界観は、人種差別や暴力とは対極にあると言えるでしょう。ブレイクダンスに、特別な装備や設備などは必要ありません。音楽があればOKです。


何より、若い方を中心に、ブレイクダンスは世界中で愛されています。


これらが、オリンピック競技として、ブレイクダンスに白羽の矢が立った大きな理由です。ブレイクダンスの精神は、オリンピック精神とよくマッチするということでしょう。


若い世代へのアピールとは?


ブレイクダンスがオリンピック種目に採用された理由には、もう少しイヤラシイ現実が絡んでいるのも事実です。ズバリ、「若い世代へのアピール」が大きいと噂されます。


近年、オリンピックそのものの人気低下に、歯止めがかかりません。特に、若い世代のオリンピック離れが深刻。その打開策として、少しでも若い世代を取り込むために、ブレイクダンスが採用されたようです。


フランスでのブレイクダンス熱とは?


オリンピックは開催地で人気のある競技を、正式競技として採用する傾向があります。東京大会における野球やソフトボールなどは、その好例でしょう。


世界最大級の大会であるバトルオブザイヤー(通称:BOTY)でも、代表選手がしょっちゅう優勝や準優勝をかっさらう、世界有数のブレイクダンス大国。それが、フランスです。フランス人のブレイクダンスに対する「熱量」が、正式採用された理由の一つとされます。


オリンピックで予想されるブレイクダンスの採点基準


2022年夏の時点で、オリンピックにおけるブレイクダンスの採点基準は、決定していません。しかし、世界大会の採点基準がオリンピックにも相当参照されるのは、間違いないでしょう。


○1on1方式:1対1のダンスバトル

○ジャッジメント方式:内容や技術面を採点


ブレイクダンスの世界大会は、上記どちらかのルールで行われるのが一般的ですが、オリンピックの特性からして、ジャッジメント方式の採用が有力視されています。


大会ごとにジャッジメント方式の基準は若干変わりますが、共通して以下のような要素が採点基準になるので、オリンピックでも重視されるはずです。


○基礎力:基礎的な動きや技の習熟度

○スキル:技の多彩さや難易度の高い技の習得度

○音楽性:ダンスによるバックミュージックの世界観の表現力

○オリジナリティ:ダンサーとしての個性や独創性


もう1点。フットワーク特有の相手を挑発するムーブは、オリンピックの空気に合わないので、減点対象になったり禁止されたりする可能性が高いでしょう。